消費税引き上げに賛成?反対?

民主党増税路線がはっきりしてきました。


◆ 所得・相続税増税、消費税10%明記 一体改革最終案
http://www.asahi.com/politics/update/0617/TKY201106170250.html


先日の日記で、脱原発路線の賛成/反対とともに消費税増税の賛成/反対で、民主党自民党の政策対立を分けたらいいのではないか、と書きました。すなわち消費税引き上げに賛成なら民主党派(左派)、反対なら自民党派(右派)に分かれたらどうか。

民主党自民党の区分が嫌なら、共産党or社民党みんなの党or立ち上がれ日本、なんでも構いません。要は、政策論議を盛り上げるために、あえて議論を単純化して、左/右に分かれてみたらどうですか、という提案です。


ここでいう左/右は、大きな政府/小さな政府の意味です。
大きな政府=高福祉高負担
小さな政府=低福祉低負担


もちろん現代社会ではこんなに単純に、左=大きな政府/右=小さな政府、と分けられる訳ではないのですが、ひとつの思考実験としてあえて単純化して考えてみます。

たとえば僕は左寄りの政治理念をもっており、「小さな政府」よりも「大きな政府」の方が、成熟社会日本にとってふさわしい政治のあり方だと考えているので、消費税引き上げやむなし、そのかわり、社会保障や福祉を充実させてくれ、と考える立場をとります。

これに対して、右より=大きな政府派の人なら、この状況で消費税を上げるなんてとんでもない、よりいっそう景気が冷え込んで、官僚たちの利権が増えるだけだ、消費税を上げる前にもっと行政のムダを削れ!あるいはリフレ政策をとって脱デフレを図り、ムダな規制を取り払って市場を流動化し、経済成長を目指せ!話はそれからだ、という風に主張するかもしれません。


僕は個人的には後者の考え方にはまったく賛同しませんが、そういう風に考える人がいてもいいと思いますし、実際にそのように考える人が多くいる(経済学者にも多い)ことを知っています。
で、あとはひたすら議論を尽くして、最終的に多数決で決めればいい。とにかく、まずはそういう風に政策論議の旗を立ててもらわないと、まともな政治が始まりません。



…という日記を書いていたのですが、先週の時点で結局、「社会保障と税の一体改革案」に消費税10%引上げの決定を先送りすることになりそうだというニュースが流れていました。

◆一体改革「消費税10%」先送り…党内反発強く
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110620-00001029-yom-pol


実際のところ、民主党内でも消費税引き上げにたいする反論は強いですし、自民党も消費税引き上げ自体に反対しているわけではありません(ただ時期が今のタイミングではないと言っているだけ)。まぁ結局のところ、消費税を引き上げようとすると国民からの反発が強すぎて、次期選挙でほぼ確実に負けることになるので、どの政党も怖がってなかなか言い出せないのでしょうね。その必要性は分かっていても…。さすがにもう上げないと仕方ないと個人的には思うんだけどなぁ。