なぜ平松大阪前市長は大阪府の財政悪化を責めなかったのか?

◆大阪市長選:平松邦夫前市長に光あれ!〜前市長の残した実績を最大限の賛辞を持って称えたい

そうそう、平松さんはこういう業績をもっとアピールすればよかったのに。勿体ないなぁ。
ちゃんと放置自転車の削減以上の実績を残してるのにね。
参考:◆市政改革の実績


もう端的にプレゼン下手というしかないよね。橋下批判にばかり意識を向けすぎなんだよな。もちろん、その実績は大阪市だけのものではなく大阪府による部分もあるのだろうけど、そこはうまい理屈を用意しておいてくださいよ。それくらいできるでしょ、さすがに。
逆に、橋下府政下での府債はむしろ増加していますよ、と。
参考:◆借金総額の推移


橋下府政はわずか1年間で財政黒字化したことが大々的に報じられたので、あたかも橋下府政では財政が健全化したかのようなイメージを持たれているけど、実際には負債残高じたいは順調に増加し、初の6兆円を突破している。
◆togetter連続黒字なのに、何故借金が増え続けるのか?大阪府財政のカラクリを考える

しかし、むしろ世間一般のイメージは逆で、平松元市長は財政を健全化できず、橋下元府知事は財政を健全化したというイメージを持たれているのだから、メディア戦略がいかに重要なのか、そして政治の実態というものはいかに一般大衆に理解されていないものなのか、ということがわかる。


むしろ橋下氏の実績は、「地震対策6割カット、教育・医療・住宅・高齢者や障害者福祉・文化などを大幅削減」したことであろう。

地震関連11事業を6割カット
▼密集住宅市外地整備補助金を大幅削減
▼教育関連費を大幅削減
▼文化関連費を大幅削減・廃止
▼福祉・医療関連費も大幅カット
▼全国に先駆けて国保「広域化」を画策
▼住宅施策を改悪
▼環境農林水産総合研究所・産業技術総合研究所独立行政法人
▼中央企業対策費を削減
▼農業費を削減 07年度191億円→10年度93億円(1/2)
水産業費を削減 07年度9億8千万円→10年度4億4千万円


まぁとはいえ、僕は別に平松さんが再選すればよかったとも思わないし、橋下氏が当選したのは当然のなりゆきだったと思ってるんですけどね。だってこれだけ有利な材料がありながら、あれだけ大差で負けてしまう人に魅力的な政治などできるわけないですもんね。

これからの4年間で、きっと橋下さんは大阪市社会保障・文化関連予算も削減しまくり、公務員もリストラしまくり、せっかく平松さんが減らした市債ぶんを食いつぶすくらいに財政悪化させてくれるんじゃないでしょうか。それが大阪市府民の選択なんだから、部外者がとくに何を言う権利も持ちませんとも。将来、政治学の教科書に「ポピュリズム衆愚政治」の例として上がる日を楽しみにしておりまする。