大阪市長選に思うこと

※この記事は市長選前にmixi日記で書いたものです。もう古くなってしまったネタですが、個人的記録のためにこちらにも転載しておきます。

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さすがに演説うまいというか、小泉純一郎の再来という感じ。
大して中身はないのに勢いと熱意で押し切られてしまう。

それに比べて平松市長の演説はあくまでお行儀がいいというか、言ってることは非常にまともなんだけど、とくに心惹かれるところはない。困ったものである。

橋下氏にもツッコまれてるけど、市長になった成果が放置自転車の減少ではさすがに弱すぎて支持する気になれない。それよりも、市の借金を大幅に減らして、財政を健全化させたことのほうを強調したほうが良いと思うんだけど。橋下氏のパフォーマンスに反して、府の借金はむしろ増えて財政悪化してるわけだから、そこをもっとツッコめばいいのに…。
http://togetter.com/li/106423

「橋下独裁反対」「大阪をバラバラにする橋下行政を許すな」だけでは弱すぎる…。
いかにもケンカし慣れていない学級院長の反論のようである。

あと内田樹もブログに書いてたけど、「大阪都構想に賛成の市職員を抜擢し、反対する市職員を降格する」リストを作成し、「選挙に先立って公約への賛否を自治体職員の「踏み絵」にする」というのがさすがにやりすぎというか、政治家の手法として決して褒められたものではない。
http://blog.tatsuru.com/2011/09/20_1001.php

さながら、「私に反対する者はすべて抵抗勢力」と絶叫した小泉純一郎を思い起こさせるが、そのような単純論法が国民的熱狂を引き起こすいっぽうで、小泉内閣が実質的にほとんど何も政治的功績を残さなかったことは周知のとおりである。


大阪都構想にしても、そもそも都(みやこ)を名乗れるのは天皇がおわします都市だけからネーミングがナンセンスだし、区長をそれぞれの区で選挙して決めたり、府と市の二重行政を解消したりするのは良いとしても、大阪府庁と大阪市役所をすべて廃棄して一から大阪都を作り上げるというアイデアはかなり非現実的である。

というように、橋下氏の主張にもいっぱいツッコミどころはあると思うのだけれど、そういうツッコミどころをうまく攻められていない平松市長は本当に「残念」な人である。まぁこのままだと世論どおりに橋下圧勝に終わるんですかねー。


ちなみに最近読んで面白かったのは中島岳志による「橋下徹の言論テクニックを解剖する」というwebエッセイ。
http://www.magazine9.jp/hacham/111111/
http://www.magazine9.jp/hacham/111109/

「ありえない比喩」で議論を「詭弁」に落とし込み、「飛躍」や「すり替え」を用いることで相手を錯乱させるというテクニック。橋下氏じしんが自分の著書で公開している技で、それをちゃんと自身のポピュリズム政治にも生かしてるんですねー。すごい。まさに有言実行。
こんど僕も大学院のゼミでの議論で使ってみようかと思った次第です。