「抑止力」って何ですか?

普天間基地の移設問題、大変なことになってますね。
僕も素人レベルでニュースを追いかけているのですが、この問題で一番よくわからないのは「抑止力」の問題です。
沖縄に米軍基地を置くことに抑止力があるのかないのか?
この点が専門家でもかなり意見が割れるところなのかなと。


まず、「抑止力ある」派の意見。

◆ 沖縄の持つ「抑止力」に着目せよ
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/384270/

海兵隊は沖縄にいなくてもよいという議論は、米軍の紛争対処能力を著しく低める。米軍が米西海岸から海路で北東アジアに移動するには3週間以上、ハワイからでも2週間必要である。沖縄ならば2、3日で済む。総理は沖縄のもつ地政学的重要性を、とくに沖縄県民に語るべきなのである。


たしかに沖縄は中国にも朝鮮半島にも近く、東アジア地域で有事があった際に絶好の拠点基地になる、という意見には説得力がある、ように思える。


次に「抑止力ない」派の意見。

◆元CIA顧問の大物政治学者が緊急提言「米軍に普天間基地の代替施設は必要ない!日本は結束して無条件の閉鎖を求めよ」
http://diamond.jp/articles/-/8060

>実を言えば、米国には普天間飛行場は必要なく、無条件で閉鎖すべきだ。在日米軍はすでに嘉手納、岩国、横須賀など広大な基地を多く持ち、これで十分である。


またルース駐日大使も以前、早稲田大学で行われた講演のなかで 「作戦上からは、グアムにでもハワイにでも基地を置くことはまったく可能だ。そのことで海兵隊が世界の安定に果たしている役割に変わりはない」 ことを強調していたという。
http://tamashige.blog.so-net.ne.jp/2010-03-04-1


こっちの意見も「そう言われてみればそういう気がする」という感じで、東アジア地域への抑止力は必要だけど、その場所が沖縄である必要はないんじゃないの?グァムでも変わんなくね?と専門家に言われると、「はぁ、そうなんですか。それならぜひグァムで」と言いたくなってしまう。


このあたりは軍事専門家の間でもだいぶ意見が分かれているらしく、どちらが本当なのかよく分からない。

個人的には、普天間基地の移設は海外(グァム)で、というのが唯一みんなが納得できる答えだと思っているので、民主党にはそっちの線でもっと頑張ってほしかったなぁ、という意見なのだけれど、鳩山さん自身が「抑止力についての認識が足りなかった。抑止力の観点から引き続き沖縄の皆さんに負担をお願いしたい」と言っちゃったのだから、あちゃー、という感じである。そらみんな怒るわな。


ちなみに、北マリアナ諸島(グァムのすぐ近く)のテニアン島普天間基地の移設先として手を挙げていた、というニュースはもっと報道されていいように思うのだけれど、なぜあまり報道されないのでしょう?

◆【普天間移設】テニアン島(米自治領)が移設先として立候補 地元議会が誘致決議 日米政府に検討求める(沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-04-22_5933/


単純に、アメリカ領土内で移設先に手を挙げてくれている地域があるなら、そこに移すのが一番うまく収まるのになぁ、と思うのですが、そうはいかないのでしょうか。
おそらくは「米軍基地が沖縄からなくなったら、北朝鮮や中国が日本に攻めてきたときどうするんだYO!」という反論が来るんでしょうねぇ。
しかし直感的に米軍基地が沖縄にある必要は必ずしもない、と思うのだけれど、どうなのかなぁ。
もう少し勉強してみます。