就職難の時代

この時期、学部生と話しているとやはり就活の話題になることが多い。
就活、今年も大変そうである。
先日、今年度の大学生内定率は80.0%で「就職氷河期」の標準をも下回っているとのニュース(2月時点)が出ていたけれど、http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100313/mca1003130509012-n1.htmおそらく来年度の内定率(つまりいま就活している学生たちの内定率)もこれと同様か、あるいはこれを下回る数字になるのではないかと言われている。


こういう就活大変話を聞いて思うのは、要はもう日本にそれほど新しい労働力って必要ないんだろうなということである。これだけ学生が(経済的にも時間的にも)高いコストを払って就職活動に労力をつぎ込んだあげく、それでもなかなか就職ができないということは、労働力の需要と供給がつり合ってないことを意味する。
つまり、現在の日本経済では「労働力が供給過多」になっているのだ。


これは単純に日本の景気が悪いからという話ではなくて(もちろんそれもあるけど)、もっと構造的な問題である。
構造的要因として大きく考えられるのは、①グローバル化の進行と②技術力の向上。
グローバル化の進行によって、これまで日本国内でまかなわれていた生産性の低い労働・ルーティン業務が、賃金の安い海外にどんどん移転される。さらに②技術力の向上によって、同じ仕事をするのでも、これまでのような多くの労働力を必要としなくなってくる。


このような構造的要因によって、日本経済がこれまでほどには多くの労働力を必要としなくなるのは自然な流れである。これはかなり深刻な問題である。


少し前までは、これから少子高齢化時代で働き手が減少するので、国内労働者の価値は上がる、という説が唱えられていたのだけれど、最近ではほとんどそういう話を聞かなくなった。
働き手の減少以上に、①グローバル化の進行と②技術力の向上の影響が大きかったのであろう。


最近では、就活中の大学生だけでなく、弁護士や会計士、学校教師なども働き手が余り、就職状況が芳しくないという話を聞く。これもまったく同じ話で、日本経済の現状を維持するためには、もはや新しい働き手がほとんど必要とされていない、という状況を意味している。


さて、この「労働力の供給過多」問題をどうやって解決したらよいのか。
こういうことを最近は考えています。