事業仕分け(若手研究者育成・学振)

若手研究者育成についての事業仕分けの内容がニコニコ動画でUPされています。

文科省の配布資料はコチラ↓
http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/pdf/nov13-pm-shiryo/12.pdf


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◆動画の内容をテープ起こししたものはコチラ↓
http://mercury.dbcls.jp/w/index.php?%BC%E3%BC%EA%B8%A6%B5%E6%B0%E9%C0%AE%A5%C6%A5%AD%A5%B9%A5%C8

◆参考資料リンク
http://mercury.dbcls.jp/w/index.php?%BB%B2%B9%CD%BB%F1%CE%C1%A5%EA%A5%F3%A5%AF


民主党からの若手研究者育成支援へのツッコミは、


1.成果目標は明確か?
2.支援対象者は適切か?
3.審査体制に問題はないか?


の三点である。


この指摘自体はいずれも的を得ていると思う。
ただし、議論の中身自体は微妙。

なぜなら、民主党議員は基本的に「博士課程の若手研究者をどうやって民間企業に就職させるか?」ということしか考えていないように見えるから。
育成支援資金の本来の目的である「いかにして優秀な研究者を育てるか?」という視点からの質問はない。
つまり、大学就職を目指す多くの若手研究者への支援はどうなっているのか、ということ。


僕たちのような文系学生は今さら民間企業に就職しようと思ってもなかなか難しい。
博士課程まで進んだ文系の院生はほとんどが大学を中心とする研究機関への就職を目指して日々研究に励んでいる。
そのような若手研究者たちは民主党議員の範疇の外なのだろうか?


しかし本当に問題なのは、仕分けをする民主党議員より、仕分けをされる文科省官僚のほうだろう。
僕たち若手研究者は役人のほうに向けて怒るべきなのだ。
民主党議員はいわば当然の質問を投げかけているにすぎない。
つまり、「国民の税金をつぎ込んで行われている若手研究者への支援は、効率的に使われていますか?」と聞いているわけだ。
上の動画内容を聞く限り、その質問に対して文科省官僚が明瞭な解答をしているとは思えない。


僕はもちろん(若手研究者のはしくれとして)税金を使ってでも若手研究者への支援は必要だと考えている。
広い意味での科研費や大学運営補助金についても同様だ。
そして、仕分けをしている民主党議員たちもそのことには同意するだろう。


問題とされているのは「その支援が効率的になされているのか?」という一点である。
そして前回の日記にも書いたとおり、この点では実際面で大いに非効率的な部分もあるというのが僕の考えだ。
ここが文科省としてもツッコまれると一番痛いところであって、だからこそこの点についてしっかりとした説明責任を果たす義務が文科省にはある。しかし上の答弁を見るかぎり、文科省官僚が説得力のある議論を展開しているとは思えない。
このことは大いに問題である。


そして当然のことながら、その問題は僕たち研究者の側にもはね返ってくる。


「なぜ国民の税金を使ってでも研究者を育成する必要があるのか?」
「その支援は現在のやり方で効率的になされているのか?」
「支援金が1/3〜1/2に減らされるとどのような不都合が(国全体にとって)生じるのか?」


これらの問いに対して、文科省と研究者は真摯に説明責任を果たす義務がある。
もちろんこれは僕自身に向けられた問いでもある。


<参考>

事業仕分け、物申す京大院生 研究者育成「削減」に反対
http://www.asahi.com/seikenkotai2009/OSK200912070058.html

行政刷新会議事業仕分けに関する署名のお願い
http://www.anth.jinkan.kyoto-u.ac.jp/shomeisho.htm

◆京大・山中教授「希望奪わないで」 事業仕分けの科学予算削減で
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009112500214&genre=G1&area=K00