書評:『フィンランド 豊かさのメソッド』

フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書 (0453))

フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書 (0453))

OECDによる生徒の学力調査(PISA)で、フィンランドの子どもは例年トップの成績を残していることで有名です。

ちなみに2006年の調査結果では、
科学的リテラシーで1位、数学的リテラシー・総合読解力で2位。
http://ja.wikipedia.org/wiki/PISA


この調査が始まって以来、フィンランドの教育に注目が集まり、
各国からひっきりなしに調査団が訪れているとのこと。
しかし、フィンランドの公立学校の標準授業時間数はOECDの調査国中、もっとも少ないそうで…


「子どもたちは午後一時、二時というと、もう授業が終わり、家路につく。宿題は毎日あっても、それほど時間をかけている様子は見られないし、二ヶ月半の夏休み中にはいっさい宿題がない。いったいいつ勉強しているのかと首をかしげずにはいられない。」


「一般のフィンランド人も、この『フィンランド世界一位』という調査の結果にはびっくりのようで『別に何も特別なことはしていないのにね〜』なんて言っている」


こんなフィンランドの子どもたちがなぜ学力世界一位の成績を残しているのか?
という疑問を分かりやすく説明してくれる一冊です。


他にも、

世界経済フォーラムWWF)の国際競争力ランキングで世界一位に輝く経済力
・充実した福祉政策
・女性の社会進出(なんと大統領も首相も女性らしい!)
・透明性の高い税金の使途
などなど、日本が参考にすべき点がたくさん詰まったフィンランドの魅力を伝えてくれます。