書評:『民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?』

民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?

民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?

民主党の全政策がポイントをおさえて解説してあり、とても分かりやすくて便利。
民主党マニフェストの解説書的一冊です。
本来は民主党が自分たちで出すべき本を、民主党を応援するジャーナリストの神保さんが
わざわざ自分で作って出してあげた、という感じでしょうか。


民主党がやろうとしていること】
子ども手当て月額2万6000円を支給
・年金を一元化し、最低保障年金を創設
後期高齢者医療制度は廃止
国民総背番号制の導入
日雇い派遣・製造業派遣は禁止に
・三年以内に高速道路は無料化
・企業の政治献金は全面禁止
・国会議員の世襲禁止
・インターネット選挙は全面解禁
・官僚の天下りを根絶
・国連決議で集団的自衛権の行使を可能に
・日本を300の自治体に分けて地方分権を徹底
・消費税は引き上げず、5%全額を年金財源に
・大企業の法人税率は維持、中小企業の税率は半減
....etc.


この本が優れていると思うのは、単に民主党の政策を解説しているだけではなく、
その背後にある民主党の「理念」や「ビジョン」までをも説明している点です。
民主党は耳ざわりのいい政策を並べているだけで、目標となる「理念」や「ビジョン」が見えない、
というのはよく聞かれる批判です。
それに対する鳩山さんの答えが「友愛」とかいうよく分らないものなので、
余計に民主党の「理念」や「ビジョン」に対する人々の理解は曖昧なものになってしまいがち。


この本では、民主党が目指す社会像の理念は、
「オープン・アンド・フェアネス」と「市民参加型の政治」だとはっきり書かれていて、
こっちの方が「友愛」とかいう微妙なキーワードよりずっと分かりやすい。


個人的に民主党には結構期待しているのですが、
この本で書かれているような、シンプルで伝わりやすい「理念」や「ビジョン」を
鳩山さん自身が積極的に発信していかないと、国民からの支持はなかなか得られないでしょうね。


ということで、皆さんこの本を読んで、口下手な民主党の理念をこちら側の努力で補って、
民主党を精一杯応援&チェックしてあげましょう、という愛に満ちた一冊です。
民主党政権に興味を持たれている方、是非どうぞ。