食料自給率10年後に50%めざす

                                                                                                                                                              • -

■食料自給率10年後に50% 米粉生産50倍、小麦倍増
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/201050/

 石破茂農水相は2日、閣議後の記者会見で、現在40%の食料自給率を約10年後に50%に引き上げる政府目標を達成するための工程表を発表した。コメ消費の拡大と小麦増産が柱。農林水産省は来年の通常国会に、企業の農地賃借規制の緩和で、耕作放棄地など未利用地の有効活用を図り、自給率向上を目指す農地法改正案を提出する方針だ。

 コメ消費拡大に向けての具体策としては、パンなどに新規需要が広がりつつある米粉の生産量を、平成19年度の1万トンから50万トンへと、50倍に拡大する。新規需要米に具体的な目標を政府が示したのは初めて。

 このほか、国際的に高騰したトウモロコシの代替として期待される飼料米の生産は、19年度のゼロから26万トンに拡大、小麦生産も裏作を促して91万トンから180万トンにほぼ倍増させる。大豆も23万トンから50万トンに拡大を図る。このほか、牛乳・乳製品の増産も盛り込んだ。

                                                                                                                    • ----------------------

さて実際にうまくいくでしょうか?
うまくいってほしいものですが。


①それだけの生産増を生み出す供給力があるのか という問題
②それだけの生産増に見合った消費力があるのか という問題があります。

①が供給面での問題、②が需要面での問題ですね。
それぞれについての具体的政策が必要とされるところです。


農林水産省の発表(「新たな食料・農業・農村基本計画の策定に向けて」)によれば、
http://www.maff.go.jp/j/keikaku/k_aratana/081202_6.html
①については「企業の農地賃借規制の緩和」⇒「未利用地の有効活用」…①´
②については「米などの国産農産物への再評価」と「国産農林水産物・食品の輸出の拡大」…②´
をそれぞれの具体内容として挙げています。


さらに①´について述べれば、農林水産省によると

                                                                                                                                                              • -

2−(3) 企業との連携等による新たな動き

近年、企業やNPOが農業生産や農村環境に関心を持つようになり、食品産業や建設業などが自ら農業生産を手がけたり、地域の環境保全活動に参画する動きが出てきている。
このような中でも、特に地域の農林水産業と商工業等がそれぞれの強みを活かしながら連携することで、新商品・新サービスの開発、販路の開拓等を行い、地域の活性化に結びつける「農商工連携」の取組が本格化している。
また、農業法人を中心とした担い手の中には、雇用者を活用して規模拡大を図ったり、複数の農業法人がネットワークを形成して、広域的な生産出荷体制を構築している事例も見受けられる。

                                                                                                                                                              • -

という動きがあります。
このブログでもパソナなどの取組みを紹介しました。
http://d.hatena.ne.jp/windupbird/20081117/1226954233
http://d.hatena.ne.jp/windupbird/20081117/1226955216


②´についても詳しく述べれば、
「米などの国産農産物への再評価」については、

                                                                                                                                                              • -

2−(1)米などの国産農産物への再評価

輸入食料の安全性への不安や、食料の内外価格差の縮小により、食品産業において原材料調達を輸入から国産に切り替える動きや、逆に、農業者が加工・業務用需要に対応した調製済み農産物を新たに供給し、輸入を国産に置き換える動きが活発化している。輸入小麦の価格高騰を契機に、国産の米粉や小麦から作ったパンや麺といった商品が急速に普及しており、大手コンビニチェーンも米粉パンの増産に乗り出している。
このような中、ごはん食や朝ごはんの良さが見直され、家庭で食事をとる者の増加なども追い風となり、半世紀近くにわたって減少してきた米の消費量が、平成19年度には、昭和37年度以降初めて増加に転じている。

                                                                                                                                                              • -

という動きが。
輸入小麦を国産の小麦や米粉に置き換える動きがあるということですね。
半世紀近くにわたって減少してきた米の消費量が45年ぶりに増加に転じたというのも、希望が持てるニュースではないでしょうか。

「国産農林水産物・食品の輸出の拡大」については、
これもこのブログで以前に紹介しました。
http://d.hatena.ne.jp/windupbird/20081202/1228222676


さて問題はこれが農業の現場の場面で実際に〝変革〟が起こっていくかどうかですね。

じっくりと見守っていきましょう。