書評:『非営利組織の経営』

ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営

ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営

<本書のメッセージ>

・非営利組織の経営で最も重要なのは「ミッション」である。

・「ミッション」を実現するためには「戦略」が必要である。

・「戦略」を実践するためにはそれを体現できる「リーダー」が必要である。

・「リーダー」にとって重要なのは「コミュニケーション」「強いコミットメント」「行動」である。

・「リーダー」は「変革」を恐れてはならない。

・「イノベーション」は「変革」を避けては実現することができない。

・「ミッション」はシンプルかつ長期的なものでなければならない。

・「ミッション」に伴う「目標」は短期的かつ変化のあるものであって構わない。


などなど。
さすがドラッカー。メッセージが端的で分かりやすいです。


面白いなと思ったのは、「日本版へのまえがき」のなかでドラッカー
「最古の非営利組織(NPO)は日本にある」と書いていること。
それは何かといえば日本のお寺だそうです。


「その他にも日本には無数の非営利組織があった。ある分野では日本がいちばん多い。
それは産業団体であって、企業間、産業間、対政府の橋渡し役となってきた」
とも書いてあります。


こういった産業団体は「非効率的」で「封建的」だという批判も多いのですが、
アメリカ中心の金融バブルがはじけた今こそ、こういった非営利的な産業団体を見直すべき
なのかもしれません。